サラリーマンでも始められる不動産投資入門|副業で成功する始め方を解説

副業として不動産投資を始めるサラリーマンのためのイラスト|初心者向け入門ガイド
目次

不動産投資が注目される理由とは?

近年、副業ブームの中で注目されているのが「不動産投資」です。株式や仮想通貨などに比べて安定収入が得られる可能性が高く、特にサラリーマンに人気の投資手段となっています。給与所得にプラスして家賃収入が見込めるため、「将来の年金代わり」や「FIRE(早期リタイア)を目指す手段」として始める方も増えています。

とはいえ、不動産投資には初期費用や融資、管理の手間など独自のハードルがあり、しっかりとした準備と知識が必要です。この記事では、サラリーマンが副業として不動産投資を始めるための基本をわかりやすく解説していきます。


サラリーマンが不動産投資で失敗しやすい落とし穴

不動産投資には「利回り」や「空室リスク」など、初心者が見落としがちなポイントがあります。特にサラリーマンの場合、以下のようなリスクを知らずに始めてしまうと、思わぬ失敗を招きかねません。

よくある失敗パターン

失敗例原因・背景
想定より空室が多く赤字に賃貸需要の低いエリアを選んでしまった
管理コストがかさむ管理会社任せで費用構造を把握していなかった
融資が通らず断念物件選びより先に融資戦略を立てていなかった
節税になると思ったが逆に損減価償却や税金の仕組みを理解せず節税効果を過信していた

不動産投資では「事業」としての視点が重要です。副業として軽く始めるつもりでも、長期的な資金計画や税務対策、リスク管理を怠ると、たちまち資産を減らす結果になりかねません。


サラリーマンでもできる!不動産投資の始め方とは

それでも不動産投資は、正しく進めれば非常に有望な副業です。サラリーマンだからこそできる「信用力を活かした融資」「安定収入を活用した資金計画」などの強みを活かして、一歩ずつ始めることが可能です。

ここでは、サラリーマンが無理なく始められる不動産投資のステップを紹介します。

不動産投資スタートまでのステップ

  1. 目的を明確にする
     「老後資金」「子どもの教育資金」「早期退職」など、何のために不動産投資をするのかを明確にします。
  2. 投資スタイルを選ぶ
     区分マンション・一棟アパート・戸建て賃貸など、自分に合った投資スタイルを決めます。
  3. 資金計画を立てる
     自己資金はいくらか、どこまで借入するのか、毎月のキャッシュフローを想定します。
  4. 融資先を調べる
     銀行、信金、ノンバンクなど、融資の条件や審査の基準を比較します。
  5. 物件を探す
     立地・利回り・築年数などを総合的にチェックし、収益性の高い物件を選びます。
  6. 購入後の運用を考える
     管理会社を活用するのか、自主管理にするのか。修繕・空室対策の方針も立てます。

なぜ今サラリーマンに不動産投資が向いているのか?

サラリーマンが不動産投資を始めやすい理由は主に以下の3つです。

① 安定収入があることで融資に強い

銀行の融資審査において、安定した給与収入は非常に大きな強みです。副業禁止規定にさえ抵触しなければ、会社員の「信用力」を最大限に活かすことができます。

② 時間をかけずに運用できる

管理会社を利用すれば、物件管理や家賃回収、クレーム対応まで任せられます。本業が忙しくても資産運用が可能です。

③ 税金対策にもつながる

減価償却や青色申告を活用することで、所得税・住民税の節税が期待できます。特に高収入サラリーマンにとっては節税効果も大きな魅力です。

不動産投資で押さえるべき5つの基本知識

1. 収益性を正しく判断する指標を理解する

物件選びで重要なのは、「利回り」だけに惑わされないことです。表面利回りが高く見えても、実際には多くの経費がかかり、手残りが少ないケースもあります。

利回りの種類と使い分け

利回りの種類計算式特徴
表面利回り年間家賃収入 ÷ 物件価格最も一般的。諸経費は考慮されていない
実質利回り(年間家賃収入 − 諸経費)÷(物件価格+諸費用)実際の手残りを考慮したリアルな指標
NOI利回り純営業利益(NOI)÷ 総投資額プロ投資家が重視する。減価償却や税金は含まない

ポイント: 諸経費や空室リスク、修繕積立金を差し引いた「実質利回り」を重視する。


2. 空室リスクを見極める立地選びのコツ

いくら表面利回りが高くても、空室が続けば意味がありません。不動産投資の成否は「立地」で決まると言っても過言ではありません。

安定した入居が期待できる立地の特徴

  • 駅近(徒歩10分以内)
  • 大学・企業・病院などが近い
  • 人口が増加傾向にあるエリア
  • 治安や生活利便性が高い
  • 賃貸需要が安定しているエリア(ワンルーム特化 or ファミリー層特化など)

避けるべき立地: 駅から遠く、バス便しかない物件。築古で競合が多いエリア。


3. 融資戦略を立てて物件に見合った借入をする

不動産投資の資金調達において、サラリーマンは「属性の高さ」が最大の武器です。しかし、借りられるからといってフルローンに頼りすぎると、金利負担や返済リスクが高まります。

借入時のチェックポイント

  • 金利:固定か変動か。将来の上昇リスクも見込む。
  • 返済期間:月々の返済額とキャッシュフローを調整。
  • 団体信用生命保険(団信):家族の保障としても活用できる。
  • 融資額の妥当性:自己資金割合を3割前後入れると安全性が高まる。

補足: 最近は「サラリーマン専用ローン」を取り扱う地方銀行やネットバンクも増えており、選択肢は広がっています。


4. 税務知識が収益性に直結する

不動産投資では、税金の知識が利益を大きく左右します。家賃収入だけでなく、減価償却や経費計上を駆使して、所得税や住民税を抑えることが可能です。

主な節税ポイント

項目内容
減価償却費建物部分の価値を耐用年数で分割して経費化可能
管理費・修繕費外部委託や日常修繕も経費として落とせる
青色申告65万円控除や赤字の繰越が使える
旅費交通費物件視察や出張の交通費も要件を満たせば対象

注意点: 税務署に目をつけられないよう、領収書の保管や帳簿の整備は厳格に。


5. 管理体制で収益が大きく変わる

物件を購入したら終わりではありません。保有後の管理がずさんだと、家賃滞納や修繕遅れ、入居者トラブルに発展し、収益が大きく低下します。

管理を任せる場合の比較

管理形態メリットデメリット
自主管理管理費がかからない手間と時間がかかる。知識も必要
管理会社委託トラブル対応や空室対策も任せられる管理手数料が発生(3〜5%程度)

おすすめ: 初心者サラリーマンは、信頼できる管理会社に委託する方が安定収益につながる。

実際の投資事例とそこから学ぶポイント

成功事例:都内ワンルーム投資で毎月の副収入を得る会社員

プロフィール

  • 年齢:38歳・男性・年収750万円
  • 勤務先:上場企業(メーカー)
  • 投資物件:都内23区内の駅近ワンルームマンション(築15年)

結果とポイント

  • 表面利回り:6.2%
  • 自己資金:200万円(物件価格の15%)
  • 月々のキャッシュフロー:約18,000円
  • 管理:賃貸管理会社に委託

成功要因:

  • 立地重視で空室リスクを抑えた
  • 管理を任せて副業としての負担を軽減
  • 減価償却により所得税・住民税を節税

学びのポイント:
副業としての不動産投資は、「時間をかけずに安定収入を得る」ことを意識すべき。リスクを取らず長期目線で運用。


トラブル事例:地方中古アパートに飛びついて失敗

プロフィール

  • 年齢:42歳・男性・年収600万円
  • 投資物件:地方都市の築30年中古アパート(4戸)

問題点と損失

  • 想定家賃より実際の入居率が大幅に下回った(常に2部屋空室)
  • 修繕費が高騰(外壁・配管)
  • キャッシュフローがマイナスになり売却も困難に

失敗要因:

  • 利回りだけで判断し立地と修繕リスクを軽視
  • 現地調査を怠った
  • 修繕費用を見込んだ資金計画が甘かった

学びのポイント:
高利回り=高リスク。特に地方物件は「客付け力」と「修繕履歴の確認」が不可欠。事前の精査を怠ると副業どころか本業にも悪影響が及ぶ。


サラリーマンが不動産投資を始めるときの注意点

就業規則の確認と会社への影響

  • 多くの企業では「副業禁止規定」や「兼業申請」が設けられている場合があります。
  • 特に公務員や金融系企業は厳しいケースが多く、事前に就業規則の確認が必要です。
  • 不動産投資は「資産運用」として認められるケースもありますが、「5棟10室基準」を超えると事業扱いとなることも。

ポイント: 副業の線引きは曖昧。会社に報告せずに進める場合は、規模・名義・税務処理に注意。


税務処理と確定申告

  • 年間20万円以上の所得(収入-経費)がある場合、確定申告が必須
  • 青色申告にすることで65万円控除が使え、節税効果が大きい
  • 減価償却費やローン利息、管理費、水道光熱費、交通費などを経費として計上可能

おすすめ: 初年度から税理士に相談 or クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)で効率的に管理を


家族の理解とライフプランへの影響

  • ローンを組むため、住宅ローンとの兼ね合いや家族の同意も重要
  • 生命保険代わりになる側面もあるが、資産リスクも伴う
  • 老後資金の形成や子どもの教育資金とのバランスを考慮した計画が必要

不動産投資を始めるためのステップと実践プラン

ステップ1:目標を明確にする

不動産投資の目的は人それぞれですが、以下のように「目的」を定めておくことで、戦略がぶれにくくなります。

目的具体例
副収入の確保月5万円の不労所得
老後資金の形成20年後に1,000万円の資産形成
節税年収800万円超の節税対策

行動ポイント:
まずは「なぜ投資をしたいのか?」を紙に書き出し、数値目標まで設定する。


ステップ2:資金計画と融資の事前審査

  • 自己資金はいくら用意できるか?(目安:物件価格の10〜20%+諸費用)
  • 年収・属性で組める融資の範囲を知る(会社員は有利)
  • 住宅ローンとのバランスを確認

銀行との付き合い:
融資を受けやすい銀行は以下のとおり(あくまで一例):

銀行名特徴
オリックス銀行高属性向け、自己資金少なめでも可
SBJ銀行都内中古ワンルームに強い
地方銀行地元に強いが条件は厳しめ

ステップ3:物件選びと現地調査

チェックポイント:

  • 駅から徒歩10分以内か
  • 築年数と修繕履歴
  • 管理会社の評判
  • 周辺の賃貸需要(人口動態、近隣大学・企業の有無)

内見ポイント:

  • 階段・ゴミ置き場の清掃状況で管理の質がわかる
  • 空室率が高い物件は要注意

ステップ4:管理体制の構築と運用開始

  • 賃貸管理会社に委託することで、サラリーマンでも運用可能
  • 家賃回収・入居者対応・修繕管理まで代行
  • 管理委託料は家賃の3〜5%程度が目安

保険加入も忘れずに:

  • 火災保険・地震保険
  • 家主費用補償特約(入居者が家賃滞納したときの補償など)

まとめ:堅実な知識と行動で「副業」としての不動産投資を成功させよう

サラリーマンが副業として不動産投資に取り組むことは、収入の柱を増やす有効な手段です。ただし、知識がないまま始めるとリスクも大きく、資金・時間・信用を失うことも。

堅実な情報収集と、明確な目的の設定
適切な物件選びと資金計画
リスク管理と税務対応の徹底

これらを押さえておけば、あなたの本業を脅かすことなく、着実に資産形成を進めることが可能です。

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